なんでも良しとしとくれよ。

そういうことです。

stay awake.

職場のおばさまが今日で最後の出勤と聞いて、お疲れ様でしたと頭を深々と下げた。こちらこそお世話になりましたと言いながら、小さく華奢な体をペコっと折り返してくれて、あのねと言葉を続けた。

「初めてこの職場に来た時ね、本当に何も分からないであわあわしていたら、あなた一番最初に話しかけてくれたの、覚えてる?にこにこ笑顔でね、あっ、よそゆきの?w笑顔でね、何時まで休憩でとか、どこで食事をとっていいとか、そういう事教えてくれて。若い人たくさんいるし、私みたいなおばさんが来て良かったのかなって不安に思ってたところだったから、それが凄く嬉しくてね、お陰様で最後まで務められたの、ありがとうございました。」

話を聞きながらビックリして、ドキドキして、「よそゆきwそんなことないですw」とか「私もいろんな話できて楽しかったですよ」くらいしか言えなかった。

私は彼女に優しくしたつもりはなく、とても普通の振る舞いをしていた。休憩時間と昼食をとる場所が同じになれば話しながらご飯を食べ、みんなより一足早く出勤した時は話しながらお菓子交換をした。知らない人でも困ってそうだったら声をかける事は、特別なことではなく私にとっては普通だった。私の普通は、みんなと同じように、いつかどこかで訓練されて普通になっている。それを評価してくれる人がいること、伝えてもらえたことに、胸がギュッとした。

誰かが何気ない私を記憶していること、そのことにどれだけ支えられていることだろう。

つい一人で生きているような気持ちになるけれど、周りの人間に私は形作られていて、生かされているのを忘れないようにと改めて。