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なんでも良しとしとくれよ。

そういうことです。

であう、話

夏にメールをしていた人。1か月メールをせずにいたのだけど、ふと思い出してまた送ってみたら、返事が来た。

彼はシモの話をとにかくしてくる。おっぱい見せてだの、どんな陰毛なのかだの。

普通の女子だったら「なにこいつキッモ。スルーだな」となると思う。でも私はあまりそういう感覚を持ち合わせていなかった。

顔を知らなかったから。シモの話ってイケメンは結構私は許せる。そして彼の変わらぬシモ押し。どんな話もシモへ導く。女の子にそういう話をするのが好きなのか、セックスが好きなのか、私にはわからないけど、このブレなさが逆にすごいなあと感心した。

そして、あまり私に不快感は与えようとしていないのがなんとなく感じ取れた。

私が本気で拒めば、そういう話じゃない話をしてくれたかもしれない。

 

最後にセックスをしたのは去年の秋だった。

初めてだった。痛くつらかった。それなりに好きな人だったし、それなりに相手も私に好意を寄せてくれていた。とても丁寧に優しく扱ってもらえ、だから耐えられた。

肌寒くなってきて、なんとなく人肌恋しくなってはいた。

でも私が彼に会ってみようと思ったのは、もっと違う理由があった。

 

火事の夢を見た。

近所の家がすごい勢いで燃え、爆発していた。私は自宅から出て、それを遠巻きに見ていた。

火事の夢なんて初めて見た。そもそも最近は全く夢を見ていなかったので、夢占いをすると、『大きな人生の変化、転機』とあった。

私には何のことやらと思ったけれど。

 

彼とラインを教えあい「あってみようか」という話になった。

会う気なんてさらさらなかったけれど、ビデオ通話をしてみた。

エロくはあるが、わりとまともな人に感じた。そして顔が市川海老蔵に激似だった。

なにより性格や物の考え方が、私の好きだった人にそっくりだった。

結婚には不向きな良い男で、人間のダークサイドを見るのが好きで、ひとりが好きで、友達が少なく孤高だった。

話すのは嫌いじゃないようで、話を聞き、その流れで、いつ会おうか、という話になった。

火事の夢を思い出し、この人に会ってみよう、と思った。

朝5時に通話を終えた私はそのまま眠らずに支度をして、東京に向かった。

 

彼に会おうと思う理由はもう一つあった。

今の職場で働いていて、思うことがある。

私は、とてもいい子だ。

誰の悪口も言わない。どんな悪口を振られても、うまくかわし、やんわりとした立場にいる。

首やのどやふくらはぎや目を痛めながらも仕事をし、たくさん気を使い、体力的にしんどい人たちの愚痴を聞き、たまにお菓子を持って行って配り、社員さんに気を使われないようなふるまいを心掛けている。

全部クソッタレだなと思うときがある。

「同じ職場にいる人間の悪口職場で言ってんじゃねえよ!」とか

「人の話聞いてんのか!こっち行けって言ってんだろ!」とか

そういう事を思う時だってもちろんある。でもその感情の波を顔や言葉には決して出さない。言葉を変えれば言っちゃダメな事でないけれど、

仕事を円滑に進めるためには口を閉ざす必要があると感じている。

そういう自分に、すごく疲れてしまった。

悪いことをしたい、と思った。

自分だけに傷がつくならかまわない。

その気持ちが多分一番強かったと思う。