なんでも良しとしとくれよ。

そういうことです。

『ガラスの仮面』(美内すずえ著)を読む

私は幼い時から漫画が好きだけれど、読んだことがなかった。

自分が生まれる前の漫画も、名作は名作に変わりないのだけれど、そういう漫画は触れるきっかけがなかなかないんだよね。

そういう作品で印象に残ってるのはドラゴンボールスラムダンクくらいかもしれない。

ガラスの仮面は、数年前にアニメ版を見ていたので、ストーリーや展開は分かってる状態で読みました。

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あらすじとしては、片親で貧乏な家に生まれ育っている北島マヤ(中央)が主人公。

ドラマや芝居が好きで、一度舞台を見るとすべてのセリフを覚えてしまうような才能がある。

それに気付いた往年の大女優、月影千草はマヤを女優として育てていく。

一方、その頃すでに演劇界で頭角を現していたのは、お金持ちの家に生まれ、大女優の母親と映画監督の父親を持つ姫川亜弓だった。

千草は自分が主演をした幻の舞台である『紅天女』を、マヤか亜弓を後継者にするため、二人を指導していく…というのが話の本筋で

紅天女』の上映権が欲しい『大都芸能』の若社長、速水真澄もそこに加わっている。

 

面白いのが、驚異的な速度で亜弓に追いつくマヤの才能。マヤは感覚として演技を掴むタイプで、亜弓は身体的努力で演技を体に覚えこませるようなタイプ。マヤは亜弓の美貌や芝居をみて卑屈になったりしているが、亜弓はマヤのもつ『努力では手に入らないもの』に嫉妬する。

亜弓が意地悪や卑劣な手段をとる人間ではないので、見ていてほっとする。

 

漫画の中でたくさんの物語も楽しめるのもいい。

たけくらべ』や『真夏の夜の夢』『女海賊ビアンカ』とか。他にもたくさんの物語が読める。

恋愛要素もあり、マヤを巡って同じ役者仲間の桜小路くんと、速水さんが対立している。

マヤと速水さんは年の差が11あるらしく、そこがわりと強調されているのが古めかしくてちょっと面白い。今の時代11の年の差は珍しくないけれど、年が離れているだけでこんなにも躊躇ったり、自分の気持ちを疑ったりするんだなぁ。

面白いのは、女性陣はあまり年の差を気にしていないところ。速水さんの様子ですぐに気付き、さほど疑わないし、受け入れる。男女で差があるのは面白いなぁ。

 

マヤの間抜けさに呆れたり同感したり、速水さんの優しさにきゅんとしたり、亜弓の情熱におののいたりする。

読むのは大変だったけど、読み返したくなるし、ファンが多いのもかなり納得の作品だった…正直コミックほしいな〜。

 

余談ですが、速水さんのこのシーンはさすがに笑った。

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あと桜小路君、で検索すると、キモい、と出てくるのが面白かった。普通のいい人って感じです。